注射法により注射針が違うのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は注射針に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
注射法により注射針が違うのはなぜ?
疼痛の減少と目的部位への確実な刺入を行なうためです。
〈目次〉
注射針の分類は
注射針は針管の外径と長さで分類され、さらに針先端の角度(刃先・角度)によっても分類されています。
針管の外径ゲージ(G)と表示され、長さはそれぞれのインチ数で表示されます。また、刃先角度については、刃先角度が14~16度で刃面長の長いRB(regular bevel)と、刃先角度がこれよりも鈍角であり、刃面長の短いSB(short bevel)の2つに分けられています(図1)。
RBは皮下および筋肉内注射に用いられ、一方SBは静脈内注射および動脈穿刺などの血管内刺入用として使われています。
各注射法に用いられる注射針は
24・25ゲージと外径の細い注射針は主に皮下注射に用いられます。21~23ゲージと中間の太さの外径を有する注射針は、皮下注射・筋肉内注射および静脈内注射と、一般的な注射時に広く用いられます。
一方、18・19ゲージといった太い外径を有する注射針は、輸血用に使われます。
逆に26・27ゲージと非常に細い注射針は、皮内注射時に用いられます(表1)。
注射針の長さも皮内注射用の26・27ゲージといった外径の細いものは短く、皮膚より深部にある筋肉組織へと届かなければならない筋肉内注射用の注射針は、一般的には長いものが用いられます。
現在使われている注射針は
また金属性の注射針は、針管内の血液の洗浄や滅菌作業などが煩雑すぎて、最近では使われることが少なく、ほとんどはディスポーザブルタイプの注射針が使われています。
さらにディスポーザブル注射針は針基の部分がゲージによって色別されているので、注射針の種類が一目でわかるように工夫されています〔注射針のカラーコードは、2007年より国際標準化機構規格(ISO規格)に統一〕。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版